さらに、システム化がなぜ重要なのかというと、人の能力に依存する経営は安定しないからです。少数の優秀なスタッフに依存する組織は短期的な成功をつかむことは出来ますが、その優秀なスタッフがいなくなったら終わりです。
しかし、システム化が実現すれば長期的な成功も可能です。スタッフの「誰が」「いつ」「何を」「どのように」行動するのかを整理することで、能力や経験の劣るスタッフでも、一定レベル以上のアウトプットを導き出せるようになります。
システム化の成功事例としてマクドナルドが有名です。マクドナルドでは、どの店舗であっても同じ品質のハンバーガーが出てきますし、接客サービスも一定を保っています。スタッフの多くがアルバイトであるにも関わらず、こうした業務レベルがコントロールされているのです。
人の能力に依存するのではなく、システムで業務運営しているから、能力に差があるアルバイトでも一定レベル以上の仕事が実行できるのです。つまり、システムにスタッフをのせれば、誰が行っても同じような仕事が出来るようになるという証明です。
もし、接遇サービスを強化することを考えるなら、能力の高いスタッフを新たに採用することを考えるよりも、接遇サービスが強くなるシステムを構築して、そのシステムにスタッフをのせることを考えるほうが有効です。
優れたシステム化があれば、院長先生は使える時間が増えるようになり、温めてきたアイデアを実験して、診療内容をより収益性の高いものに転換したり、新たな技術を導入して、診療業務を拡張することも可能になります。
そして、システム化のもう一つのメリットは、人材教育が容易になることです。仕事の進め方が標準化されるので、短期間で一定レベル以上の能力を身につけることが出来るようになります。
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