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 実行力を高めるシステム化
システム化とは、スタッフの誰もが一定レベル以上の仕事を実行できる、そして同じような成果をあげることができる状態にすることです。

そのためには、優秀な個人が持つ能力を、可能なかぎり標準化して、それを教育する制度を組織の中に構築していくが求められます。

システム化が完成すれば、スタッフが常に安定した品質で業務を実行できるようになります。そうなれば、院長はスタッフ教育に割かれる時間が減少していきます。

つまり、システム化により院長は時間的余裕を持つことが可能になり、経営者としての仕事に時間を注ぐことができるようになるのです。

 システム化が実現すれば継続的な成長が可能
さらに、システム化がなぜ重要なのかというと、人の能力に依存する経営は安定しないからです。少数の優秀なスタッフに依存する組織は短期的な成功をつかむことは出来ますが、その優秀なスタッフがいなくなったら終わりです。

しかし、システム化が実現すれば長期的な成功も可能です。スタッフの「誰が」「いつ」「何を」「どのように」行動するのかを整理することで、能力や経験の劣るスタッフでも、一定レベル以上のアウトプットを導き出せるようになります。

システム化の成功事例としてマクドナルドが有名です。マクドナルドでは、どの店舗であっても同じ品質のハンバーガーが出てきますし、接客サービスも一定を保っています。スタッフの多くがアルバイトであるにも関わらず、こうした業務レベルがコントロールされているのです。

人の能力に依存するのではなく、システムで業務運営しているから、能力に差があるアルバイトでも一定レベル以上の仕事が実行できるのです。つまり、システムにスタッフをのせれば、誰が行っても同じような仕事が出来るようになるという証明です。

もし、接遇サービスを強化することを考えるなら、能力の高いスタッフを新たに採用することを考えるよりも、接遇サービスが強くなるシステムを構築して、そのシステムにスタッフをのせることを考えるほうが有効です。

優れたシステム化があれば、院長先生は使える時間が増えるようになり、温めてきたアイデアを実験して、診療内容をより収益性の高いものに転換したり、新たな技術を導入して、診療業務を拡張することも可能になります。

そして、システム化のもう一つのメリットは、人材教育が容易になることです。仕事の進め方が標準化されるので、短期間で一定レベル以上の能力を身につけることが出来るようになります。

 システム化を実現する3つの要素
標準化のもっとも基本的なツールがマニュアルです。マニュアルを単なる業務手順書として捉えるのではなく、常にノウハウを集め改訂をしていくことによって標準化を浸透させる財産の1つとして理解することが必要です。

目に見えない個人がもつ仕事のナレッジ(暗黙知)をマニュアルに記載する(形式知)ことによって組織の知識(組織知)に転換します。

さらにそれを学習することで個人知に再転換するという流れをつくりあげます。マニュアル化により、一定レベル以上の仕事をができる知識が身につくという訳です。

マニュアルが完成したら、次はそれを業務の場面できちんと実践できるように習得することが大切です。マニュアルによって、効率的な業務の進め方が理解できたとしても、それがそのまま実践できるとは限りません。ロールプレイングによって「わかる」を「できる」に変える必要があるのです。

実際の現場で実践できるようになったら、次は改善することが必要になります。仕事は、実践→検証→改善のサイクルを回すことで、仕事の質が高まっていくわけですから、検証と改善を実施する場としてミーティングを活用することで、次第に現場力が強化されていきます。